2008年11月28日

7年前の質問

絹雲さんからの情報です。
平成13年6月18日提出の「中城湾港泡瀬地区開発事業に関する質問主意書」を発見。

提出者は東門美津子氏。提出当時は国会議員、今は、泡瀬干潟を有する沖縄市の市長です。

--------------------------------------------------------------------------------
中城湾港泡瀬地区開発事業に関する質問主意書

 中城湾港新港地区の浚渫工事に伴う泡瀬干潟埋め立て事業が進められようとしている。しかし、中城湾港開発事業全体の事業目的、需要、採算性等に関して疑問視する声もある。また、昨今、自然界における干潟の重要性が広く知られ、その価値が再認識されているが、泡瀬干潟の埋め立てによる環境への影響についてまだ不確定な点が明らかにされていない。よって、以下質問する。

1 中城湾港事業計画策定時における港湾の需要予測と実績について、需要予測値と最新の実績値(入港隻数、取り扱い貨物量・額、入港船舶の規模、搬入元・搬出先、主要定期航路等)を明らかにされたい。また、中城湾港の使用実績と需要予測に乖離がある場合に、その理由を明らかにされたい。

2 中城湾港の航路浚渫の必要性及び緊急性を具体的に示されたい。

3 中城湾港の浚渫土砂処分事業としての目的がなければ、泡瀬地区埋め立て事業の推進は困難になるのか。

4 中城湾港泡瀬地区埋立事業の埋立着工予定日を明らかにされたい。

5 環境省は、全国千五百の干潟すべての形状や大きさを把握し、主要な干潟を現地調査しながら、民間の調査内容も積極的に取り込み、五年がかりでデータベース化を進める計画に取り組んでいると聞くが、沖縄本島においてシギ・チドリ類など渡り性水鳥の最大の飛来地となっている泡瀬干潟について、政府はどのように認識しているのかを明らかにされたい。また、現在進められている調査の進捗状況と今後の保全対策を具体的に示されたい。

6 琉球列島は重要な渡り鳥フライウェイとなっている。なかでも泡瀬干潟は、埋め立て開発が進む本島中南部において奇跡的に残った干潟であり、渡り鳥の飛来数で沖縄最大規模、ムナグロについては国内最大の越冬地になっている。フライウェイ保全の観点から、沖縄本島の湿地保全に政府はどのように取り組んでいるか。

7 川口環境大臣は、泡瀬干潟の件で、オーストラリア連邦環境通産省のロバート・ヒル大臣から書簡を受け取ったと承知しているが、こうしたオーストラリア環境通産省の泡瀬干潟埋め立てに対する高い関心に対する政府の認識を明らかにされたい。

8 二〇〇〇年十月の国際渡り性水鳥ワークショップ沖縄で再確認された「新しいアジア・太平洋渡り性水鳥保全戦略2001~2005」の実現に向けては、どのような取り組みがなされているか。

9 事業者の沖縄総合事務局は、泡瀬干潟の埋め立てに伴う環境保全策として、熱心に藻場移植に取り組んでいる。移植実験については、環境影響評価の中で「専門家の助言を得ながら行っており、移植は十分可能」との判断が示されているが、この専門家の研究実績など具体的に示され、専門家の助言の妥当性を示されたい。専門家が複数であれば、そのすべてを明らかにされたい。

10 最終的に「移植が可能」であると判断したのは専門家なのか、事業者なのかを明らかにされたい。

11 泡瀬干潟では、環境省レッドリストによって絶滅危惧Ⅰ種に指定されたクビレミドロの生息が確認されている。第二回中城湾港泡瀬地区環境監視委員会の中で、同種の移植実験が失敗し、移植が困難であることが明らかになっているが、絶滅危惧種の保護と生息環境の保全に今後どう取り組むのか、また泡瀬地区埋め立ての影響に対する政府の認識を明らかにされたい。
----------------------------------------------------------

たったの7年間で人の意見て180度変わるものなのですね。当時の彼女が何もわからないまま質問をしていたのか、当時わかっていたことが7年間のうちにわからなくなったのか、さっぱり判断しかねますが。4番の質問に対しては(すでに埋め立ては進められているため)不要ですが、その他の質問事項については私が改めて書き直す必要もなく、7年前のご自分にそのままお返事いただければ十分です。

追加として、個人的に興味があるのは「サンゴの移植が可能と判断した」のはどこの専門家なのか、あるいは事業者なのか、その専門家の研究業績などを明らかにして欲しいです。

以上の内容を沖縄市にメールで送ってみました。

参考資料:
泡瀬干潟を守る連絡会のウェブサイトhttp://awase.net/maekawa/sinindex.htm)の「事業者は一期工事区域内のサンゴの一部を移植した(08年11月13日公表)」
をクリックすると関連資料が出てきます) 




Posted by さめ at 01:22│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。