夜の海の散歩開始

さめ

2008年06月21日 04:36

泡瀬干潟のヒメマツミドリイシ(サンゴの仲間)の群落の産卵シーズンがやって
きました。産卵日の予想は非常に難しいです。沖縄島(沖縄本島)周辺の
ミドリイシ類は大体5月6月の満月大潮の前後の夜と決まっているのですが、
どの夜に産むかは毎晩見張っていないとわかりません。
(満月の晩に一斉産卵、というのは沖縄島には当てはまりません)
ちなみに今晩は外れでした。

このヒメマツミドリイシ群落の隣にあるサンゴホットスポット(通称、第一期工事
海域)のサンゴたちは周囲を護岸でぐるりと囲まれて生き埋めにされる日を待つ
ばかり。そしてその工事で出る土砂の影響でここのヒメマツミドリイシも徐々に
元気がなくなっていっています。

以下、場所が泡瀬なので小橋川さん風に行きましょうね。

エントリーしてすぐ出会ったのはウニさん。あちこちにたくさんいたけれども必死に
しがみついてるこのウニさんが一番かわいかったです。
悲しいのはウニさんがしがみついている足場にいるサンゴさんたちが弱っていること。
灰色になっているサンゴさんたちはもう死んでいます。茶色のサンゴさんたちは
かろうじて生きているのですが、土砂が体の上にどんどん落ちてきて、悲鳴を
あげています。



次に出会ったのはヤドカリさん。やはりサンゴさんの上でお休みしていました。
このあと、光におどろいててけてけ逃げ出してしまいました。
ごめんね、おどろかせて。



ナマコさんもサンゴさんの上でマッサージしているようです。気持ちよさそう。
このベッドがなくなったらどこに行くんだろう?



そして本日の大ヒット。ハボウキガイさんの貝殻の中からちょこんと顔を出して
いるお魚さん。しっかりカメラ目線です。



最後に1つ昼間の泡瀬干潟をご紹介。海底のあちこちに見られる砂でできた
なぞの茶碗型の物体。スナジャワン(砂茶碗)と呼ばれるものの正体。
実はタマガイさんたちが作っている卵の塊です。下手な人工物よりきれいです。



こんなにも愛すべき生き物たちがいる海を、無駄な公共工事のために、
私たちが失いつつあるのが残念でたまりません。
今年は国際サンゴ礁年
「行こう、知ろう、守ろう」というスローガンを掲げているのは
我が国の環境省です。そして守ろうと言いながら、この美しいサンゴたちの
埋め立てに関してはスルーです。

【情報】
もっと泡瀬の写真を見たい方はぜひ写真家、小橋川共男さんの写真集
「こんにちは 泡瀬干潟」
をご覧ください。書店での取扱はないですが、
泡瀬干潟を守る連絡会
から購入できます。沖縄島にいる方は明日(21日)まで沖国大で

小橋川さんの写真展
がありますのでそちらもあわせてぜひ。

そして埋め立てに反対してくださる方はぜひご署名を!署名用紙はここからダウンロードできます。ご協力お願いします